「じゃあ、むく
母さん達、少し観光してくるから」

「うん」

「悠達も
行きたいとこあったら行っておいで
夕飯までに戻ってくれば、大丈夫だから」

「うん」



それぞれの両親に頷く、私とゆう兄


行ってきますと
4人が部屋から出ていった後


ゆう兄は隣に立つ私に顔を向ける



「むくちゃん、俺達はどうしよっか?」

「……温泉、入りたい」

「入った後、観光する?
近くに、美味しいプリンのお店があるんだって」

「!行くっ」



食いついた私に
ゆう兄は嬉しそうに表情を緩ませる


そんなゆう兄に、私は、はっとして
慌てて、目を逸らす



……しまった、つい…



また、甘いものにつられて
気が緩んでしまった



…………でも
意識しすぎて、ぎくしゃくするより
そっちの方がいいか……



熱くなった顔を隠すように押さえながら
小さくため息をついた