……思い返せば


ゆう兄関係のトラブルが起こる度に
ゆう兄のべったり度合いは
上がっていった気がする



「確かに、悠先輩が考えそうなことだね」

「だろ?あの人は多分
自分が他人からどういう目で見られようが
思われようが、篠原を守れればそれでいいって思ってんじゃねーかな」



……。




「「…」」



両手で口許を覆って、黙り込んだ私に
杏里と津嶋君は顔を見合せ、目を瞬かせた後
ふっと、笑顔を浮かべる



「相川先輩に見せてやりたいな」

「そうだね。『恋する女の子の顔』」



くすくす楽しげに言い合うふたり

だけど、その眼差しは優しい



「…」



……ゆう兄が、私に対して
庇護欲や、守らなければと言う使命感を
昔と変わらず、持ち続けていることも
それが強いことも、分かってはいた


でも、それと
普段から四六時中、私にべったりな理由が
繋がるとは思いもしなかった



近すぎる距離感

過剰なまでのスキンシップ


単純に感覚がずれてる

愛情表現が偏ってるだけ



私の認識はそれだった