きみの本気は分かりづらい

『……ごめんなさい』

『むくちゃん、謝らないで』

『私が、悪いの…』

『ちがうよ。むくちゃんは悪くないよ』

『ごめんなさいごめんなさい
……私…ゆう兄から離れる…』

『……むくちゃん』



『今まで、ごめんね。ゆう兄』




ひとりになるのは怖かったけど

寂しかったけど

私はゆう兄から離れる事を決めた



でも



そんな、やり取りの後からだった気がする



罪悪感に苛まれて
距離を取ろうとする私と、それを拒否するゆう兄


逃げる私を、いつも、ゆう兄は追ってきて


それから、段々
ゆう兄は私にべったりになった


今と比べると
昔は全然普通の距離感のお兄さんだったのに



それまでは
ゆう兄以外に懐かない
引っ込み思案な私を気にして


自分以外の人との交流を
勧めていたゆう兄だったけど


あまり、言われなくなったし