きみの本気は分かりづらい

……。



……思いあたる記憶があった


それは、私の
『恐怖』と『罪悪感』に繋がる記憶でもある



小学生の頃

一番最初に起こった
ゆう兄絡みの人間関係のトラブル




『むくちゃんさ
悠くんを、ひとりじめするのやめなよ』


『いつもいつも
むくばっかり優先されて…ずるいよ』


『この前だって、本当はおれたちと
遊ぶはずだったのに』


『むくが、「ひとりだち」できないのが
悪いんだ』


『ゆうから離れろよ』




人気者のゆう兄を独占する私に
向けられた嫉妬と羨望


幼い子供特有の
ささいなものではあったものの


当時の私が傷付くには充分だった



だけど、同時に



みんなが口を揃えて、そう指摘してきたから


それが、正しいんだと


私が悪いんだと


自分はゆう兄から


他の人と過ごす時間を、自由を


奪っていたんだと



その時、ようやく知った