きみの本気は分かりづらい

「…」



黙り込んでしまった私に
津嶋君と杏里は困ったような顔を見せる



「ごめんね
むくを急かすつもりはないの」

「俺らが
どうのこうの口を挟むことでもないし」



追い詰めるような事を言ってしまったかもと
申し訳なさそうにするふたりに
私は首を横に振る



「……私が、弱虫なだけなの」



手が届かないと思っていた時は
こっちを向いて貰おうと必死だった


なのに
いざ、来られると動揺してしまう


ペット扱いは不満だったくせに
女の子扱いされたらされたでうろたえて


『恋愛です』と
ちゃんと意思表示されて、嬉しいはずなのに


色んなことが怖くなる。不安になる


気持ちがころころ変わって
自分でも、うまくコントロールできない



「あ、もしかして
外野の反応が怖いとか?」

「ああー…水ぶちまけ先輩みたいな?」

「悠先輩、人気者だからね
変に執着する人もいそうだし」

「てかさ、俺ずっと思ってたんだけど…」