思うように行動に移せない自分

落ち込みながら、それを話せば

真剣に話を聞いてくれていたふたりは
疑問を口にした



「むくは、恥ずかしくて言葉にできないの?」

「……それも、あるけど…」

「けど?」

「………怖くて」

「なにが?両想いだろ?
振られる可能性はないわけじゃん」

「…それは……」




――……『むくが悪いんだ』




「…」




頭の中に響いた幼い声が

前に進もうとする私を引き留める



ずっとずっと、願ってた


ずっとずっと、欲しかった



諦められなかった


諦めたくなかった



でも



いざ、自分が長年
望んでいたものが、手に入るってなったら



幼い頃から
心の片隅に飼っていた『罪悪感』が


普段は小さなそれが


大きく顔を覗かせ、訴えてくる




『奪ったあなたに、その権利はあるの?』と