きみの本気は分かりづらい

「………ゆう兄」

「ん?」

「……離して」



とにかく、一旦離れよう

このままだと
私の心臓が破裂してしまう


いまだに私の両手を掴んでいるゆう兄に
赤い顔で、訴えかければ



「やだ」



ゆう兄は
爽やかな笑顔で、それを拒んだ



「な…っ」

「だって、こうして
むくちゃんに触れるの、久しぶりだし」

「触れるの我慢するって言った!」

「今回は、むくちゃんからだから
ノーカウント」

「~~~!?」



た、確かに…
最初に抱きついたのは私だけど…っ


あわわとうろたえる私に
ゆう兄は、甘えるように身を寄せる



「俺、今日かなり頑張ったし
ご褒美ちょうだい」

「…」



その言葉に、ぴたりと動揺が静まる