きみの本気は分かりづらい

……

………

…………。




「~~~~っ!?!?」

「ちょ、痛い痛い
むくちゃん、やめて」



ようやく
自分の身に起きた出来事に理解が及び
声なき悲鳴をあげ、発狂する


真っ赤になって
ぽかぽかと、ゆう兄の胸を叩けば

ゆう兄は
困ったように笑いながら、私の両手を掴む



「ゆ、ゆう兄の、変態……っ!」

「だって、むくちゃん泣き止んでくれないから」

「だからって、なんで…っ」

「びっくりして、涙引っ込んだでしょ?」

「ひ、引っ込んだ、けど…っ」



あまりの衝撃に
涙はおろか、恐怖も引っ込んだ

だけど、代わりに

全身、熱と羞恥心に襲われて
収拾がつかなくなる




……………というか……



………近い!!!!




今さらながらに、距離の近さに慌てる私




久しぶりな、この距離感
すっかり、耐性がなくなっていた私は
激しく鳴り響く心音を抑える事が出来ない