1ヶ月ぶりの新作のご褒美ケーキ

今回も悶絶するほど美味しい

頬を押さえながら、じーんとその甘さに浸る


色んな種類を順々に
一口づつ味わって食べる

それを、ゆう兄は微笑ましげに眺めていて



……。



美味しいものを独り占めしている状況に
ほんの少しだけ、罪悪感が湧いた私は



「……はい」

「ん?」

「少しだけ…あげる」



ケーキを乗せたフォークを差し出せば
ゆう兄はきょとんと目を丸くした後
柔らかく微笑んで

ぱくりとそれを口に入れた



「…美味しい?」

「うん、すごく美味しい」



自分が美味しいと思うものを
誰かと共有できるのは嬉しいもので
自然と表情も空気も緩んでしまう


いつも意識してる冷たい対応も今は出来ない



「こっちも美味しいよ、食べて」



にこにこ笑って
ゆう兄に別のケーキを差し出せば

ゆう兄は嬉しそうに頷いた