中学生になっても今まで通り、毎日杏奈と登下校してる。

今日も一緒に帰ってきたんだけど、そのときに杏奈が教えてくれた。

『私の隣のクラスに超イケメンがいるって、ちょっとしたフィーバーが起きてる』って。


それを聞いただけでも、誰のことなのか、すぐにピンときた。

『それって、神山 秀一郎さん?』って訊いたら、『そう、その人』だって。

やっぱり。


そうしたら、杏奈ってば、『もう2組にまで知れ渡ってるんだ! さすが〜』って、妙に感心するの。

だから、『昨日の朝、私が昇降口で少しだけ話しかけた人だよ〜』って言ったら、『あ〜、あの人!』だって。


『どういう知り合い?』って言うから、少しだけ説明しておいた。

『お母さんが家政婦してるお家の息子さんなんだ』って。


もっと詳しく話してもよかったかな?

杏奈はうちの事情だって知ってるし、ベラベラ噂話をする子でもないんだから。

う〜ん、こういう内容ってどこまで話していいのか、判断するのが難しい……


それはそうと、今日も新しい友達はできなかった。

最初の声がけって、すごく緊張する。

私ってこんなにヘタレだったかな……


あ〜、何かグチっぽくなっちゃったから、今日はここまでにしておく。

明日がんばれたら、がんばろっと。