次の日の放課後咲ちゃんと帰る翔を見送り1人虚しく…わねぇけど帰り道を歩く。


少し日が西に傾き
夕焼け空に染まっていく河川敷を歩いていると、


少し開けた場所に小さな丘がある。

その丘の上の金木犀の木の下
優しい香りに包まれた場所にあの子が居た。


今日も夕焼け空に向かってカメラを向けている。


「そうだ昨日のヘアピン…。」


ブレザーのポケットから昨日拾った小さなヘアピンを取り出して、秋も近づき少しずつ色が薄くなった芝生を踏みながら丘を登っていく。