その音のする方を向くと
そこには茜色に染まった空が広がり
そこを一本の飛行機雲が切り裂いていく。

遠くには黒い色彩に染まる街並み
夕日でオレンジ色に輝く川。


そんな見惚れてしまうほど綺麗な景色をバックに女の子が立っていた。


夕日に照らされた栗色の長い髪は耳元で白色にキラキラ輝く小さな花が付いたヘアピンで留められ
後ろに流れた長い髪は風に吹かれてフワフワと揺れている。

とった写真を確認しているのかカメラを見つめる整った横顔。

その横顔はどこか儚げだった。


綺麗な景色とその女の子に思わず固唾を飲む。


数秒いや数分かもしれない、その子を見つめていた俺は気づいた頃には声を掛けていた。