突拍子もない質問にその子はモジモジしている。

ギュッと紺色の制服のスカートの裾を握ると夕日を指差した。


「空撮ってんの?」


その子は静かに頷く。


「へー見てみたい!ダメ?」


その言葉に少しおどけた様子のその子は小さく頷いて
カメラを渡してくれた。


渡されたのは一眼レフのカメラ。
そのディスプレイには今日の夕日が映し出されている。


十字キーを押すとそこには夕日の他にも青空や曇り空、虹のかかった空たくさんの空が切り取られていた。


「すげぇ……プロみたいじゃん」


その全部がとてもキレイで
思わず本音がポロッと出た。


その本音が聞こえたのか聞こえてないのかその子は恥ずかしそうに俺が写真を眺める様子を見ている。