「何って。言っても分かりそうにねーから、体に覚えさせる方が早いだろ」

そう言って私の首筋に咲夜くんの暖かい吐息と柔らかい唇が触れる。
それだけでテンパる私。

「ちょ、ちょっと!ちょっと待って‼︎私初めてなんだけど」

「知ってる」

「そ、そうじゃなくて。こういうのって、その、なんていうか…」

口ごもる私に何かを察した咲夜くん。

「分かってる。ちゃんと優しくする」

そう言って再開しようとする咲夜くんを制する。

「ち、違う!そうじゃなくて」

「初めてなのに激しいのが好みなのか?それは悪かった」

「もっと違うわ!こういうのって雰囲気が大事というか」

いつの間にか咲夜くんのペースに流されている。
このまま流される訳にはいかない。

「加奈」

低く甘い声で名前を呼ばれ、先程の決意はすぐに崩れる。
頬に手を添えられ咲夜くんが優しい顔で見つめてくる。