道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

「どんな異変ですか」

ラヴィーネはアイテム関係、ダンジョン内の環境の変化など、物理的な異変ではないと感じた。

「一昨日、ダンジョンに入った冒険者かまだ戻ってきていないんです。それもＣ級冒険者パーティーが」

ラヴィーネは「あ……っ」と息を飲んだ。

「Ｃ級冒険者なので、１５階より下層には潜っていないはずなんです。モンスターレベルも中の下くらいなので、難しい討伐ではないんですが」

「ですよね。Ｃ級冒険者では１５階以降の門が開きませんし。そのパーティーを見た冒険者はいないんですか」

「情報を集めているところです」

ギルドマスターは焦っているのか、少し早口だ。

ギルド内の空気が重い。

一昨日というと、冒険者死神が４５階層ダンジョンボス、ケルベロスを討伐した１日前だ。

「あの……数年前に低レベル階で、Ａランク級のモンスターが現れたというイレギュラーがありましたよね」