先生とみた夕日

ある日ノートで思いついた
せっかくこのノートで話せるんだから
少し自分の気持ちを書いてみようかなって

家庭環境のこと友達のこと
居場所が部活しかなくて辛いこと
でも部活がすごく楽しいこと
そして先生のことが好きだってこと

自分でも気づかないくらい
モヤモヤするくらい先生のことで
悩んでるって気づいてさ
きっとヤキモチ焼いてたんだよね

好きだって伝えた
憧れとかじゃなくて1人の男の人として
付き合いたいとかじゃなくて
自分の気持ちを素直にぶつけたかった
ごまかしたりせずに
後悔なんてしたくなかったから
先生の立場があるのもわかってるし
熱血で何よりも真面目で
曲がったことが嫌いそんな言葉が似合う
先生なのは間違いなくて
だから答えはわかってたよ

「ありがとう。シンプルに好きと言われるのは嬉しいよ!
でもごめんな。俺は教師で乃愛は生徒だ。
気持ちは受け取っておくよ。」って

登校して机のノートの文字を見た時に先生らしくて
優しい言葉遣いだなあと思った
もっときつく言ってもよかったのに
まずありがとう。って出してくれて
私こそありがとうだよって誰もいない教室で泣いた

別にOKもらえたわけでもないのに
気持ちを伝えただけでこんなに心がスゥっと
軽くなるんだなだと実感した

教室の窓の外を見ると朝から歯磨きしてる先生がみえた
朝からかっこいいなあて見惚れてたら
その後ろ姿がこっちを向いて危うく?というか
目が合って一気に顔が熱くなるのがわかった

心臓バクバクになりながらも
寝坊したのかなとか朝ごはん食べたのかなとか
コーヒー飲んだのかなとか
今日はジャージだったなあとかにやにやしてた

朝の会の時間になって先生が教室に来た
私の学校では朝の10分間だけ読書タイムがあって
好きな本を読んでいいというルールだった
この日は先生のこと意識しすぎて
ふいに目が合ったり今日もかっこいいなあなんて
見惚れたりしてた

私の席は真ん中の後ろだから
先生がくるくる教室を回ってると足音で
近くにいることがわかる
(え、、なにしてるの?)
(もしかして後ろからみてる??)
(えーー心臓の音聞こえない?!
このバクバク聞こえないよね?!)なんて
思ったりして読書にならなかった