この恋、遊びにつき。

「keiさんっていくつでしたっけ?」

「えっ?」


keiさんが戸惑っているのが分かった。

「そうだ、言わなきゃと思ってたんだ…俺、いくつって言ってた?」

「えっと…チャットでは確か29歳、だっけ?」

「だよね。あれ適当にやっちゃったんだ」

「じゃあ本当の歳違うの?」

「うん、本当はもう少し上なんだ」

「もう少しって?」

「…3つ」

「ってことは…32歳?」

「そう」

「そうなんだぁ…」



嘘をついてたことに驚きはしなかった。
むしろ、私はkeiさんの全てを疑っている。

本当に高校で英語を教えてるのか、
本当にA市に住んでいるのか、
本当に独身で彼女がいないのか。



それよりも私は真実を話すべきか迷っていた。

実は私も…と今なら便乗出来る。
でも真実を話したところでどうなる?
私が大学生だと知って、何が変わる?

嘘をつくことが、少し負担。

良心が痛む。



でも、私の遊びのルールは崩せない。

『逃げ道は残す』



年齢を明かして、大学生だとばれたら、
本当の私・朋子に近づく。
それは避けたい。
だって私は時が来ればkeiさんの前から姿を消すんだ。

跡形もなく。






「怒ってる…かな?」

「ううん、そんなことないよ」

「結衣さんは26歳なんだよね?」