この恋、遊びにつき。

「さゆりさん、さっきのお客さんが名刺くれたみたい」

「え?さっきのって誰?」

「今お会計した人」

「あー、スーツの人ね。朋ちゃんに?」

「うーん、わかんない。机に置いてあったの」

「忘れ物、って訳でもないよね」

「裏に『また来ます』って書いてたよ」

「何て人?」

「中山悠だって」

「聞いたことないなぁ…ま、いいや。そこの名刺入れに入れといて」

「了解でーす」





変な人。

カッコよかったけどね。

色白で、目は切れ長で、黒ぶちメガネ。

きっとモテるんだろうなぁ。

私好みじゃないけど。





さゆりさんがお疲れモードだったから、今日は早めに店じまい。
約束通り、大好きなカルボナーラを作ってもらった。
そしてさゆりさんのワインセラーの中で一番高い白ワインも。


ご飯の話題は、名刺の男性・中山悠。

さゆりさんは、私をナンパするつもりなんじゃないかって盛り上がってたけど。
そうやってすぐにさゆりさんは恋愛に結び付けるんだ。


私はもう本気の恋愛なんかしないのに。



第一、中山悠って人はタイプじゃない。

どんな人かもわかんないのに、恋愛なんか。







…keiさんは?