あなたでよかった


それから警察が連絡があり、タンプカーの運転手に殺人の依頼をしていた事と、多額の金を支払っていた証拠が見つかった為、隼也は逮捕されたとの事だった。

そこそこ有名な神蔵グループの御曹司が逮捕された為、神蔵グループの信頼はガタ落ちで倒産したようだ。

それを知っても紗雪は何とも思わなかった。

いや、ざまあみろとは思った。

しかし、そう思ったところで灯也は戻って来ないし、あの幸せで平穏だった日々も元には戻らない。

灯也は、紗雪に桁を数えるのが大変なくらいの財産を遺していったが、紗雪はそれに手を付けなかった。

もし使うことがあるとすれば、雪灯の為に使いたい。
そう思ったのだ。

そして、蔦野店長は「いつでも戻って来ていいからね!神蔵さんのタイミングで大丈夫だよ!」と言ってくれていた。

灯也の居ない生活に慣れない紗雪だったが、紗雪は思った。

出会えたのが、あなたでよかった。

灯也と出会えて幸せだった。

わたしに雪灯ゆう宝ものを授けてくれて、ありがとう。

もしわたしがいつか灯也のところに行くことがあれば、絶対探してみせる。

そして、生まれ変わってもあなたを見つけ出してみせる。

だって、わたしたちにはお互いの手首に運命の目印があるんだから。




―END―