「灯也、、、やだ、、、なんで?おじいちゃんおばあちゃんになるまで、一緒に居ようねって約束したじゃない?灯也、わたしを置いていかないでよ、、、灯也、やだ、やだああああああ、、、、」
紗雪は泣きながら、灯也を何度も呼び、すがりついた。
しかし、紗雪の声に反応することなく、灯也が目を覚ますことはなかった。
その後、紗雪の元に警察が訪ねてきた。
どうやら灯也は、紗雪からの電話のあと、すぐに仕事を早退し、タクシーで病院へと向かっていた。
しかし、赤信号で停まっている時に前にはトラクター、その後ろに灯也が乗るタクシーがあり、そこに大きなダンプカーが突っ込んできたとの事だった。
ブレーキ痕はなく、灯也もタクシーの運転手も即死だった。
ダンプカーの運転手によると最初は「スマホをいじっていた。」と供述していたようだが、赤信号で停まっている車に突っ込んだ為、10-0で罪が重くなる事に気付いたダンプカーの運転手は「神蔵隼也という人に頼まれてやった。」と供述を覆したのだ。
「神蔵隼也という人に心当たりはありますか?苗字が同じですよね?」
憔悴しきっている紗雪に容赦無く質問をする警察。
紗雪は「義理の兄です。」とだけ答えた。
「ダンプカーの運転手によると、数週間前から依頼を受けて、ご主人の命を狙っていたようなんですが、ご主人はそれらしきことは何か言っていませんでしたか?」
「いえ、何も、、、。わたしに心配かけないように、何も言ってなかったのかもしれません。」
紗雪は、誰が犯人であろうと、どうでも良かった。
憎しみを持ったところで、灯也が戻って来るわけではない。
そのあとも警察は紗雪に色々質問してきたが、途中で松浦が「もうやめてあげてください。」と止めに入り、警察は渋々帰って行ったのだった。



