すると、松浦さんが近付いて来て「神蔵さん、今日出産ラッシュでここの分娩室空けなきゃいけないから、申し訳ないんだけど、後処理が終わったら、すぐ個室に移動してもらっていいかな?車椅子は持って来るから!」と言い、紗雪は「分かりました。」と返事をした。
そして、そのあと紗雪の後処理が終わると、松浦さんは車椅子を持って来て、紗雪を個室まで連れて行ってくれた。
「神蔵さん、ごめんね。お産が終わったばかりなのに。」
「いえ、大丈夫です。それより、主人はまだ来ていませんか?LINEをしても既読にならなくて。」
紗雪がそう言うと、松浦さんは俯き、それからしゃがんで紗雪と目線を合わせると、「神蔵さん、、、落ち着いて聞いてね。」と話し始めた。
「ご主人、、、ここに向かう途中で事故に遭われたみたいなの。」
「えっ?!そ、それで主人は大丈夫なんですか?!」
お産を終えたばかりな上に動揺する紗雪に松浦は、どう伝えたら良いか迷っているようだった。
そして、松浦は重い口を開いた。
「ご主人、、、亡くなったって。」
松浦の言葉を聞いた紗雪は、一瞬その言葉が理解出来なかった。
亡くなった、、、?
どうゆうこと?
灯也が、、、?
「病院に運ばれた時には、もう心臓が止まってる状態だったみたいで、、、」
「え、、、嘘ですよね?灯也が、、、亡くなった?え?どうして、、、」
紗雪の頭の中は混乱していた。
そして、まだ現実が受け入れられず、信じられないはずなのに、涙が溢れ出してきたのだ。



