そして、灯也はというと、元々分担していた家事を゙更に率先して行うようになった。
二人の時間になると、灯也はまだ膨らみのない紗雪のお腹に手を当て、「パパだよ〜。」と話し掛ける毎日。
そんな灯也の姿が紗雪は愛おしくてたまらなかった。
紗雪のお腹の少し膨らみ始めたのは、妊娠5ヵ月くらいの時だった。
この頃に性別が判明し、医師から「性別分かりましたけど、知りたいですか?」と訊かれた紗雪だったが、生まれてからのお楽しみにする為に聞かなかった。
「ねぇ、もし赤ちゃんの名前、どうする?」
夜、ベッドに入ってから灯也の腕の中で紗雪は訊いた。
「んー、俺も最近考えてるんだけどさ、俺たちの名前の漢字を使いたくない?」
「うん、いいね。例えば?」
「例えばかぁ、、、そうだなぁ、もし男の子だったら、紗雪の"雪"と俺の"灯"で"雪灯"(ゆきと)とか。」
「あぁ、雪灯いいね!じゃあ、女の子なら?」
「女の子なら、、、紗也(さや)とか?」
「なるほどね。いいかも。」
そんな会話をすることが、二人の幸せな時間だった。
次第に大きくなってくる紗雪のお腹。
それに合わせて、必要なベビー用品も買い揃えていき、二人で小さな赤ちゃんの服を見ているだけで幸せで楽しかった。
「まだ性別が分からないから、黄色とかいいんじゃない?」
「そうだな。あ、これ可愛い!」
「本当だ!これ買いたい!」
そう話しながら、ベビー服を選んでいく二人。
妊娠8ヵ月頃になると、ほとんどの必要なものが揃い、気が早い灯也は既にベビーベッドを組み立てて準備万端な状態だった。



