あなたでよかった


それから灯也と紗雪は、蔦野店長と灯也の勤め先である課長に証人になってもらい、役所に婚姻届を提出し、受理された。

「苗字もお揃いになったね。」

灯也の言葉に「はい!」と嬉しそうに頷く紗雪。

「あ、紗雪。もう夫婦になったんだから、敬語はなし!あと、そろそろ灯也って呼んで?」
「あ、はい。分かりました。」

と言ったあとで紗雪はハッとして手で口を押さえる。

なかなか敬語が抜けない紗雪に笑う灯也。

「ゆっくりでいいよ。紗雪のペースで慣れてくれれば。」

灯也の言葉に紗雪は「はい。」と返事をすると、照れ笑いを浮かべたのだった。

そして、二人はそのまま結婚指輪を買いに行った。

「紗雪、どれがいい?」
「わたしは、灯也さんとお揃いならどれでも。」
「ダメだよ。値段は気にしなくていいから、紗雪が気に入ったものを選んで?」

紗雪は遠慮がちな為、「これがいい!」と言うのが苦手だったが、せっかくの結婚指輪な為、灯也は紗雪に選んで欲しかった。

「えっと、じゃあ、、、これがいい、です。」

紗雪は、迷いに迷った末、小さなダイヤモンドが5つ並んでいるなだらかなウェーブがかかっている結婚指輪を選んだ。

そして、二人に合うサイズがあった為、その日に結婚指輪を持ち帰ることが出来たのだった。