あなたでよかった


「次期社長がこんなとこで騒ぎを起こしていいの?紗雪は、兄さんを怖がってる。ストーカー行為で警察を゙呼ぶ事も出来るんだよ?次期社長がストーカーだなんて、、、父さんの耳に入ったら、どうなるかな?」

灯也は冷静にそう言い、その冷静さが更に隼也を苛立たせた。

「お前ぇ、、、。」
「早く神蔵家に帰ったら?じゃないと、本当に警察呼ぶよ。」

灯也の冷静な態度と本気な言葉に、隼也は怒りをぶつけるように灯也の胸ぐらを離すと、最後に灯也を睨み付け、車の後部座席へと乗り込むとそのまま去って行った。

隼也が乗る車が見えなくなると、灯也は急いでスーパーの店内へと入って行った。

すると、入口付近に蔦野店長が居て、「あ!月柴さんの彼氏さん!」と手招きをした。

「紗雪は?」
「バックルームに隠れてるよ。それであの人、誰なの?」
「僕の兄なんです。でも、理由があって僕たちは逃げる為にこの地域に越して来たんです。兄がもう来ることはないと思いますが、万が一また兄が来ることがあったら、すぐに警察に連絡してください。ハッキリ言って、紗雪のストーカーみたいなものなので、、、。」

蔦野店長は「分かったわ。」と言うと、そのあと灯也をバックルームに案内してくれた。

「月柴さん!彼氏さんが迎えに来てくれたよ!」

蔦野店長がそう言うと、高く積み上がった荷物の陰から紗雪が顔を覗かせ、灯也の姿を確認すると、安堵の表情を浮かべ、灯也に駆け寄って来た。

「紗雪、大丈夫か?!何もされてないか?!」
「大丈夫です。見つかる前にバックルームに逃げて来たので。」
「良かった、、、。」

そんな二人を見て、蔦野店長は「今日はもう帰りなさい。仕事のことは気にしなくていいから。」と言ってくれ、灯也は紗雪を連れ、そのまま自宅へと帰宅したのだった。