そんな平穏な二人の生活に嵐がやって来たのは、その2週間後のことだった。
紗雪はいつも通り灯也の見送りをしたあとで仕事に向かい、レジ打ち、品出しなどをしていた。
すると、サービスカウンターがある方から聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ。
「月柴紗雪は居るか?」
その声にゾッとして、全身鳥肌が立つ程のざわつきを感じた紗雪。
商品棚の陰からサービスカウンターの方を覗いてみると、そこには神蔵隼也の姿があったのだ。
え、どうして隼也様がこんなとこに、、、
紗雪はそう思い、慌ててバックルームに逃げ込んだ。
すると、蔦野店長がやって来て「月柴さん。何か神蔵って人が月柴さんを呼んでるんだけど、知り合いかい?」と言った。
紗雪は「知り合いというか、、、」と怯えながら、何と言って良いのか戸惑っていた。
そんな紗雪の姿を見て、何か察知した蔦野店長は「分かった。月柴さんは居ないって、伝えて来るから。ここに居なさい。」と言うと、店内へと戻って行った。
紗雪は神蔵家に仕えていた時の記憶が蘇り、あまりの恐怖に灯也に電話をかけた。
灯也はすぐに電話に出てくれた。
「もしもし?紗雪?どうした?」
「灯也さん、、、じゅ、隼也さんが、、、お店に、、、」
「えっ?!兄さんが?!」
「わたしを探してるみたいで、、、」
紗雪の声の震えように灯也は「分かった。仕事は早退させてもらって、これから迎えに行くから。それまで待ってられる?」と言った。
紗雪が「はい、、、ごめんなさい。」と謝ると、灯也は「何で謝るんだよ。俺はパズ◯だぞ?」と紗雪を和ませるような言葉を言い、それから「じゃあ、これから急いで向かうから。」と電話を切った。



