灯也と紗雪は一通り必要な物をカゴに入れると、言われた通り蔦野店長が居るレジへと向かった。
従業員は通常5%引きなのだが、何と蔦野店長は特別に10%引きにしてくれたのだ。
「イケメン割引、内緒だよ。」
蔦野店長は小声でそう言うと、灯也と紗雪を温かく見送ってくれた。
帰り、灯也は片手で荷物を持ちながら、もう片方の手で紗雪と手を繋いで歩いた。
「店長さん、良い人だね。」
「はい、いつもとっても良くしていただいてます。」
「働きやすそうな職場で安心したよ。」
「他の方たちも優しい人ばかりで、とても仕事が楽しいです。」
「紗雪が楽しいって思えるのが一番だ。あ、そういえばラピ◯タ借りて来たから、あとで一緒に観ようね!」
「はい!」
そんな会話をしながら、二人は並んで歩く。
その些細なことでさえ、二人は幸せに感じていた。
その夜、夕飯と風呂を済ませたあと、灯也と紗雪は二人でソファーに座り、寄り添いながらラピ◯タを観た。
「パズ◯かっこいいなぁ。子どもだけど、男の中の男だよ。俺もパズ◯みたいに紗雪を守れるようにならないとなぁ。」
「もう充分すぎる程、幸せで、守ってもらってますよ。」
二人は顔を見合わせると微笑み合い、紗雪は灯也の肩に頭を乗せ、腕を絡めながら最後までラピ◯タを鑑賞したのだった。



