あなたでよかった


紗雪は早速、ソファーに座ると箱を開け、スマホを取り出すと、「灯也さんの番号とLINE、登録したいです。」と言った。

灯也は紗雪にスマホの使い方を教えながら、自分の番号とLINEを登録し、その他には灯也の勤め先の番号と紗雪のパート先の番号を登録した。

「灯也さん、ありがとうございます!」
「どうしたしまして。」
「あのぉ、一つお願いがあるんですけどぉ、、、」
「ん?何?」
「わたしたちのお揃いのホクロ、撮ってもいいですか?」

そう言う紗雪の言葉に、灯也は「いいよ!」と返事をすると、二人はお互いホクロがある方の腕をくっつけて並べ、紗雪はそれをスマホのカメラで撮り、画像に収めた。

「ありがとうございます、わたしのお守りです。」

撮った画像を嬉しそうに見つめる紗雪。

そんな紗雪が愛おしく感じ、灯也は紗雪をそっと抱きしめた。

突然のことに「灯也さん?」と驚く紗雪。

灯也が「紗雪がそんなに喜んでくれると思わなかった。俺も嬉しいよ。」と言うと、紗雪の気持ちに応えるように灯也を抱きしめ返した。

そして二人はゆっくりと身体を離すと見つめ合い、どちらからともなく、そっと唇を重ねた。

優しく愛情を感じる口付けに、紗雪は心が満たされてゆくのを感じた。

そっと唇を離すと、お互い照れ笑いを浮かべる二人。

「嫌じゃなかった?」

灯也がそう訊くと、紗雪は恥ずかしそうにコクリと頷き「灯也さんの愛情を感じました。」と答えたのだった。