「さぁ、明日から忙しくなるよ。そろそろ寝ようか。」
「はい。」
「俺はソファーで寝るから、紗雪さんはベッドを使って?」
灯也がそう言うと、紗雪はベッドから下り、「そんなわけにはいきません。灯也様をソファーで寝かせるだなんて。わたしがソファーで寝ます。」と言った。
「紗雪さんなら、そう言うと思ったよ。」
「えっ。」
「紗雪さんは謙虚で思いやりがあるからね。」
「灯也様こそ、、、思いやりがあって、お優しい方です。」
紗雪がそう言うと、灯也は「もう"様"付けはやめよう。俺たちは対等な関係だよ?灯也でいいよ。」と言った。
「でも、、、いきなりは恥ずかしいので、"灯也さん"でもいいですか?」
「いいよ。じゃあ、俺は紗雪って呼んでいい?」
「はい、もちろん。」
「じゃあ、紗雪。同じベッドで寝よっか!」
そう言って、灯也はベッドに大の字になって寝転んだ。
「俺は何もしないから、大丈夫だよ。ただ、同じベッドで寝るだけだ。」
灯也の言葉に恥ずかしそうに紗雪は微笑むと、「灯也さんのことは信じています。」と言い、灯也の隣に横になった。
ベッドに横になりながら、見つめ合う二人はお互いに照れ笑いを浮かべた。
「じゃあ、寝よっか。」
「はい。」
「おやすみ、紗雪。」
「おやすみなさい、灯也さん。」
そうして部屋を薄暗くし、目を閉じた二人だったが、二人で同じベッドに寝るのは初めてな上に場所が場所なだけに、なかなか寝付くことが出来なかった。



