「好きだよ、ずっと昔から」
私を見つめる目はすごく真剣で、目を逸らしたくなった。
「嘘、でしょう?」
嘘に決まっているのだ。
いや、嘘じゃないとおかしいのだ。
私は彼に振られたのだから。
☆★☆★☆
私の初恋は小学校1年生の時。
同じクラスで家も近かった子で、朝会ったら一緒に学校に行ったり、嫌いな先生の愚痴を言い合ったりする仲だった。
話していくうちにだんだんと惹かれて、気づけば好きになっていた。
私は、その年のバレンタインデーで可愛いメモ帳に"好きです"って書いて渡した。
次の日、彼はみんなの前でこう言った。
「こいつ、俺のこと好きなんだってー!」
顔から火が出そうだった。
私が彼のことが好きなのがみんなにバレて、ものすごく恥ずかしかった。
「好きじゃないし!むしろ、大っ嫌い!」
恥ずかしくてつい、口から出た私の気持ちとは真逆の言葉。
「俺も嫌いだし、」
私の初恋はそこで終わった。
初恋は実らないって本当なんだなと、その時に思った。
☆★☆★☆
今日は特に予定がなく、カフェでまったりしようかなと思い、昼過ぎくらいに家を出た。
子供の頃に遊んだ公園を見て、懐かしいなぁなんて思っていると、ベンチに座っている人に見覚えがあった。
「未来?」
そう声をかけると、ベンチに座ってた人は顔を上げた。
そこにいたのはやっぱり未来、私の初恋の相手だった。
「久しぶりー!元気してた?」
未来に声をかけながら、近寄って、隣に座らせてもらった。
「千紗か。久しぶり、元気だったよ」
久しぶりに会った未来は当たり前だけど、大人びてて不覚にもドキッとしてしまった。
「そっかー。えー何年振りだろう?今、私達が20歳だからー8年振りくらい?」
「そうだね」
小学校の頃のガサツなところはなくなり、丸くなっていた。
「連絡先交換しよー!」
小学校の頃はお互いに持っていなかったスマホで連絡先を交換する。
小学校の頃の友達の連絡先は、ほとんど持っていなかったから少し嬉しくなった。
そこから、久しぶりだから少し話そうとなり、ベンチに座り、お互いの思い出話をしていた。
「あ!覚えてる?私が小1の時、手紙で未来に告白したの!」
懐かしい、私の初恋の話を覚えているか、未来に聞いてみた。
「覚えてる。懐かしいな」
未来は、昔を懐かしむように目を瞑った。
「私あの時本気で好きだったんだからね!勇気出して告白したんだから!ま、結局振られちゃったけど」
初恋の話を笑い話にできるくらい、私は大人になった。
お互いに好意はないし、ただの小学生の頃の友達だ。
「好きだよ、ずっと昔から」
そう思っていたので、突然のその言葉に固まった。
「嘘、でしょう?」
嘘に決まっているのだ。
いや、嘘じゃないとおかしいのだ。
私は彼に振られたのだから。
「嘘じゃないよ。告白されたのも嬉しかったし、今もずっと千紗が好きだよ」
振られた相手に告白されることってあるのだろうか?
しかも、十数年ぶりに。
「えっと、」
返事に困っていると、私のスマホが鳴った。
「ごめん、未来。ちょっと電話に出るね」
断りをとって、電話に出る。
『もしもしー!千紗ー!今日家に遊びに行っていい?』
相手を見ずに電話に出たことを後悔した。
かけてきた相手は今の彼氏だった。
「いいよ。忙しいから切るね」
そう言って電話をすぐに切る。
「彼氏?」
電話の声が聞こえたのか、そう聞いてきた。
「うん、そう。だから、未来の気持ちには答えられない。ごめんね」
自分が告白した相手を振ることになるのは、小1の私には考えつかないだろう。
「そっか。でも、諦めないから」
そう言って、未来は私の頬にキスをして、またねと言って帰っていった。
私を見つめる目はすごく真剣で、目を逸らしたくなった。
「嘘、でしょう?」
嘘に決まっているのだ。
いや、嘘じゃないとおかしいのだ。
私は彼に振られたのだから。
☆★☆★☆
私の初恋は小学校1年生の時。
同じクラスで家も近かった子で、朝会ったら一緒に学校に行ったり、嫌いな先生の愚痴を言い合ったりする仲だった。
話していくうちにだんだんと惹かれて、気づけば好きになっていた。
私は、その年のバレンタインデーで可愛いメモ帳に"好きです"って書いて渡した。
次の日、彼はみんなの前でこう言った。
「こいつ、俺のこと好きなんだってー!」
顔から火が出そうだった。
私が彼のことが好きなのがみんなにバレて、ものすごく恥ずかしかった。
「好きじゃないし!むしろ、大っ嫌い!」
恥ずかしくてつい、口から出た私の気持ちとは真逆の言葉。
「俺も嫌いだし、」
私の初恋はそこで終わった。
初恋は実らないって本当なんだなと、その時に思った。
☆★☆★☆
今日は特に予定がなく、カフェでまったりしようかなと思い、昼過ぎくらいに家を出た。
子供の頃に遊んだ公園を見て、懐かしいなぁなんて思っていると、ベンチに座っている人に見覚えがあった。
「未来?」
そう声をかけると、ベンチに座ってた人は顔を上げた。
そこにいたのはやっぱり未来、私の初恋の相手だった。
「久しぶりー!元気してた?」
未来に声をかけながら、近寄って、隣に座らせてもらった。
「千紗か。久しぶり、元気だったよ」
久しぶりに会った未来は当たり前だけど、大人びてて不覚にもドキッとしてしまった。
「そっかー。えー何年振りだろう?今、私達が20歳だからー8年振りくらい?」
「そうだね」
小学校の頃のガサツなところはなくなり、丸くなっていた。
「連絡先交換しよー!」
小学校の頃はお互いに持っていなかったスマホで連絡先を交換する。
小学校の頃の友達の連絡先は、ほとんど持っていなかったから少し嬉しくなった。
そこから、久しぶりだから少し話そうとなり、ベンチに座り、お互いの思い出話をしていた。
「あ!覚えてる?私が小1の時、手紙で未来に告白したの!」
懐かしい、私の初恋の話を覚えているか、未来に聞いてみた。
「覚えてる。懐かしいな」
未来は、昔を懐かしむように目を瞑った。
「私あの時本気で好きだったんだからね!勇気出して告白したんだから!ま、結局振られちゃったけど」
初恋の話を笑い話にできるくらい、私は大人になった。
お互いに好意はないし、ただの小学生の頃の友達だ。
「好きだよ、ずっと昔から」
そう思っていたので、突然のその言葉に固まった。
「嘘、でしょう?」
嘘に決まっているのだ。
いや、嘘じゃないとおかしいのだ。
私は彼に振られたのだから。
「嘘じゃないよ。告白されたのも嬉しかったし、今もずっと千紗が好きだよ」
振られた相手に告白されることってあるのだろうか?
しかも、十数年ぶりに。
「えっと、」
返事に困っていると、私のスマホが鳴った。
「ごめん、未来。ちょっと電話に出るね」
断りをとって、電話に出る。
『もしもしー!千紗ー!今日家に遊びに行っていい?』
相手を見ずに電話に出たことを後悔した。
かけてきた相手は今の彼氏だった。
「いいよ。忙しいから切るね」
そう言って電話をすぐに切る。
「彼氏?」
電話の声が聞こえたのか、そう聞いてきた。
「うん、そう。だから、未来の気持ちには答えられない。ごめんね」
自分が告白した相手を振ることになるのは、小1の私には考えつかないだろう。
「そっか。でも、諦めないから」
そう言って、未来は私の頬にキスをして、またねと言って帰っていった。



