「?」
いや、継がなくてもこの病院にいますけど。

「おまえ、もう30歳だぞ」
言われなくても分かってますが?
「結婚を前提に…、付き合わないか」
はぁ?30歳と何が関係あるの?
「キャリアのことを考えたら迷うかも知れないけど、子供の事を考えたら早いほうが良いと思う」
いやいや、キャリアのことも子供のことを考えても、この言い方は無いし、もともと駿輔の事をそんな風に考えたことは無い。

「無理!」
駿輔のことは嫌いじゃなかった。
同期としてお互い高め合っていけると思ってた。
でも今の発言、本当に私のことを考えてる?
腕を掴まれ、抱きしめられた。

何でそうなるの?
「止めて!」
離れたいのに動きが取れない。

「誰?昼寝の邪魔をするのは」
放れたベンチに横になって多岐川先生が休んでた。
「佐伯先生、嫌がってるのに無理矢理は良くないよ」
駿輔は、ばつが悪くなってサッサと行ってしまった。
私も多岐川先生に見られたのは恥ずかしかったけど、助かった。