「環、今晩飯行かね?」
匠君と多岐川先生が騒いでいると、同期の佐伯駿輔(さえきしゅんすけ)がやって来た。
「ごめん。今日、約束があるんだ」
匠君の彼女である由佳さんの娘さん、紗依ちゃんとの約束。
匠君繋がりで友達になった。

「デート?」
そんな人はいませんが、なぜまた多岐川先生が戻ってきて話を盛り上げる?
「環、そうなのか?」
このおじさん達2人、どうか静かにして欲しい。
「紗依ちゃんだから!」

「そっか。じゃ、また今度ね」
駿輔が少し残念そうに戻って行った。
なにか話しがあったのかな?

「あーあ。佐伯先生、振られちゃった」
まったくこのおじさんたちは中学生か!

「環ちゃん、ランチ一緒に行こうか?」
相変わらずの多岐川先生。
「はぁ?絶対に行きませんけど!」
いい加減、揶揄うのは辞めて欲しい。