入学式が終わり、私たちは自分たちの教室に戻ってきた。うちの学校は、ラバー制度がある割に、男女合同のクラスではなくてそこが唯一の悲しいところ。
はーあ、仁と同じクラスがよかったなぁ、

「月ー!!同じクラスなのちょー嬉しいんだけど!」
「え、愛菜と瑠流!?2人と一緒なの!?うわめっちゃ嬉しいわやばい!!」
「瑠流も2人と一緒で嬉しいよう」
「はー瑠流かわいい♡てかさ、空も一緒だよ!」
「え!?空様と!?!?嬉しすぎる( ; ; )」
この2人は、愛菜と瑠流。私と空の中学時代からの友達で、愛菜は空のことを尊敬してて、よく真似したりまるで教祖かのように崇めたりしている笑
そして、こっちの瑠流は、おっとりふわふわの可愛すぎる女の子で私の癒し枠!!ほんとに可愛いの〜
「あ!!愛菜ちゃんと瑠流ちゃん!!2人も同じクラスなのー?嬉しすぎるよ〜!!」
「空様!?私も一緒になれて光栄です、( ; ; )」
「空ちゃんよろしくね〜」
「うん!!てかさ、ペア決めもうすぐだよ緊張するね〜」
私たち4人だ話していたところにアナウンスがなった。

   〜アナウンス〜
高校1年生はペア決めを行いますので、講堂に集合してください。

「あ、呼ばれたね!!みんな行こう〜!!」
私たちがぞろぞろと講堂に向かっていると向こうから、男子クラスのみんなが歩いてきた。
その中には、もちろん蓮くんと仁の姿があって、私は密かに仁となれますようにと願った。

「それでは、これよりペア決めを行います。男子生徒の皆さんは前にお越しください。」
ラバー制度の決め方は、男子生徒が水晶に手をかざすと、ペアの人の名前が浮き出てきて、そのペアの相手に相手の名前を言って、僕とペアになってくださいとお願いしなきゃいけないのだ。もしそれを相手の女子生徒が拒否をした場合は、もう一度やり直すことができる。まぁ、結局は自分が協力したり恋愛したりできるような人をこの場で選べということなんだろう。

ずらずらと男子生徒が並んでいき、次々に女子生徒の方に歩いてくる。それを眺めている間に蓮くんの順番になった。
「そらそら!!次は蓮くんだよ!!」
「え、ほんと!?私の名前が出たらいいのに、、」
「大丈夫!!絶対空だよ!信じよう!」
そんな会話をしていると、蓮くんが水晶に手をかざしていた。名前が出たその瞬間、柔らかく笑ってこっちの向きに歩き出した。どんどんこっちに近づいてくる。私たちは心の中で空ですよう空ですようにと願い続けた。そして、蓮くんの足は空の前で止まった。
「桐谷 空さん。どうか僕とペアになってください」
「え、あ、え、私でよければお願いします」
(わぁわぁわぁ!?空と蓮くんがほんとにペアだったよ!!)
2人は、お互いの目を見ながらこれからのことについて話し合っていた。私はそんな2人のことを見ながら
(ここは本当にお似合いだなぁ。夫婦みたいだ。
2人がお互いのこと好きなのが伝わるなぁ)
「そういえば、月はまだなの?」
「うんまだだよ!!蓮くんは空と一緒でよかったね〜!!」
「まぁそうだね安心したかな笑」
横の空をみると顔を真っ赤にしている。本当に可愛いんだから。しばらくすると蓮くんは自分の席に戻って行った。
「空様!!おめでとうございます!」
「空ちゃんおめでとうね〜」
「2人ともありがとー!」
「あれ、そういえば?愛菜と瑠流はペアもうわかったの?」
「あ、ほら私たちは彼氏いるからさ!!」
「私もダーリンがいるから〜〜」
「あーそっかそっか!!うらやまし!笑」
このラバー制度は、学園内にカップルがいる場合は、カップルでペアになることができるのである。
「え、じゃあ私だけじゃん!?もう完璧残り物なんだけど〜( ; ; )」
「そんなことないよ!!月元気出して!」
「そうだよ月!!あ、てか次仁だよ」
空に言われて、前をみると仁が水晶に手をかざしているところだった。多分名前が出たんだろう。最初は笑っていたけどすこし複雑そうな顔をしていた。
私はその顔の意味があんまりよくわかんなくて少し考えていた。そしたら次の瞬間。
「おーい月」
「え!?なに?仁!?」
「そうでーす。イケメン仁くんでーす」
「いやイケメンいらんし。」
「は?いるだろ。まぁいいや。
えーと、早瀬月さん。俺とペアになってください。
じゃないと殴ります。」
「いや最後のやついらないだろ!!!」
「まぁいいじゃん。で?返事は?」
「よろしくお願いします」
「ふっ。まぁそう言うってわかってたけどな〜」
(その時の仁の笑顔がほんとに眩しくて。あぁ、ほんとにかっこいいなとときめいてしまった。)
「てか、そういえば空は誰となんだ?」
「私は蓮とだよー!!」
「ふーんそうんだ。俺も空がよかったなー」
「なに言ってんの笑 月で嬉しいくせに」
「は?適当言ってんじゃねえし笑」
(え、どゆこと?)
「ま、じゃあよろしくな妖精さーん」
そう言い残して、仁は自分の席に戻って行った。
「月よかったじゃーん!てかこれで幼馴染4人で気兼ねなく行動できるね!」
「でも、月と仁くんは喧嘩ばっかりしてるんじゃないの?大丈夫そう?」
「私も思ってたの〜〜無理はしないでね〜〜」
「2人とも!仁は、月が好きだから大丈夫なのよ!」
「いやいやそんなことない決まってるでしょ笑
空のうそつきーー!笑笑」
「なんだってー?笑笑」
(そんなわけないでしょ。私は知ってるんだ。仁はほんとは空のことが好きだってこと。)
「ちょっと私帰りにトイレ寄ってから帰るね?」
「わかったー!!私たちは先教室戻ってるね!」
私は、急いでトイレに駆け込む。
バタンッ

う、う、( ; ; )
堪えていた涙がいつのまにか溢れ始めていた。
なに?空がよかったって、。私でごめんね。
知ってたよ。仁が空のことを前々から好きなことだってさ。でも私だって仁が好きなんだよ。これからもずっとこんなことがあるのかな。もう辛いよどうしたらいいのかな、こんな気持ち誰にも言えないよ。
でもみんなの前では普通に振る舞わなくちゃ。
私は涙を拭いて、教室に戻った。