「冴、冴どうしたの?ぼーっとして」
「なんもないよ零。」
「まったくもーー」
目の前で黒い髪を揺らしながらこっちを見てくる美人は橘花零 僕の彼女でこの世界で1番大切な存在だ。頬を膨らませながらこちらを見てくるのは実に可愛げがありつつ、綺麗である。正直に言うと僕にはもったいないほどの人だ。彼女は僕の手を引いて
「ほーら行こ!学校送れるよ」
「うん。そうだね。行こうか。」
実際遅れそうって言うよりも、もう遅刻している。が、零と僕はいつものことだから、対してどうでも良い。コレを行ってしまったら、他の小学生とかにはどストレートに怒られるが。
零に腕をひっぱられているから、僕はなんも気にしないであるいていたからか、いつのまにか校門には着いていた。しかし、とうぜんながら遅刻は遅刻なので、校門はしまっている。だから、駐車場から忍び込んでいく。歩きながら
「ちょっとだけ、手、繋いでいい?」
零が隣ではずかしそうに俯きながら、ボソッと言ってくる、
「いいよ」
手を出して零に向ける。
「ほんとに…?」
大きな瞳でじっと見つめてくる零。
「もちろんだよ。零」
手を出すと手を強く握ってくる。僕からしか、手を握ったことがないからか少し俯きながら手を握ってくる零。その頬に優しくキスをする。
「へっ!!」
不意打ちしたからか、顔を赤く染める零
「可愛い。好きだよ、零。」
顔を零のすぐそばに持っていって言う。
「私もだよ。秀。」
手を振り解いて抱きついてくる零を受け止めながら、
僕は幸せに浸っていた。