「銅賞は」

アナウンサーのその一言に緊張が走る。
私たちが目指していた全国大会入賞の夢が叶ったのか、
それが、今、決まるのだ。

「高野女子学院中学校(こうやじょしがくいんちゅうがっこう)。そして、」

高野女子の叫び声が聞こえる。
握っている手に、汗が滲む。
お願いします、神様。銅賞でいい。銅賞でいいから、入賞させてください。

「星ノ山学園中学校。」

先輩たちの、狂気にも、歓声にも似た叫び声が響く。
私たちが、悲願の全国大会入賞を果たした瞬間だった。