歩くリラ冷えの風


「あ、じーちゃん。今日ハイネック着てないから、家紋丸見えだよ。」
「お?あぁ、忘れとった。」

そう言って、笑う光哲。

しかし、門倉は光哲の家紋にビビりながらも「でも、いくら元蘭越組だったとしても、どうせじーさんだ。楽勝だよ!」と自分を奮い立たせるように言った。

その言葉が気に障った光哲は、「ほう、余程自分に自信があるようだなぁ。そう言われちゃ、わしも相手しないわけにはいかんな。」と言い、椿沙の横に並んだ。

「じーちゃん、腰大丈夫なの?」
「何、こんなガキンチョ相手に心配しらんよ。」

光哲がそう言うと、ガキンチョ扱いされた門倉たちは「ナメんなよ!じーさん!」と怒鳴り散らした。

そして、門倉たちは椿沙と光哲に向かって走って殴りかかって行く。

椿沙は高く飛び上がると、回し蹴りで一気に3人を倒し、着地した後すぐに目の前にいた男の足元に蹴りを喰らわし、その男は顔面から倒れ失神していた。

光哲はというと、殴りかかってきた門倉のミゾオチに重たいパンチを一発入れ込み、門倉はその一発で無様に倒れ込んだのだった。

翔真も必死に、殴りかかってきた自分よりも背が高くガタイが良い男相手に戦おうとしていたが、頬に一発パンチが入りよろけて後ろに尻もちをついた。

それに気付いた椿沙は「翔に何すんだよ。」と、その男を睨みつけ、顔面に飛び蹴りを喰らわせ、その一発で翔を殴った男を倒していた。

あと後ろに残っている数人は、椿沙と光哲のあまりの強さに怖気づき、慌てて走って逃げて行ったのだった。

その逃げ姿を見送る椿沙は、「逃げるくらいなら、来るんじゃないよ。」と呟き、その呟きに光哲はハッハッハッと笑っていた。