そして、事件が起きたのはその次のことだった。
「なぁ、椿沙。今日、一緒に帰らない?」
昼休みの屋上で、珍しく翔真から椿沙を誘った。
「いいけど、どうしたの?今日ラーメン行かないよ?」
「分かってるよ。ノブさんのとこに行かない日でも、一緒に帰ったっていいだろ?」
「うん、まぁね。」
そう約束していて、放課後に椿沙と翔真は一緒に下校していた。
「そういえば最近、花枝ちゃんどう?」
「うん、大丈夫そうだよ。最近は、席の近い女子と話すようになって、笑顔も出てきたから。」
「そっか、それなら良かった。」
そんな話をしながら歩いていて、もう少しで椿沙の自宅に辿り着くという時だった。
「おい、蘭越。」
背中から、またしつこく話し掛けてくる男の声が聞こえてきた。
椿沙は声の主が分かり溜め息をつくと、後ろを振り返った。
それと同時に翔真も振り返る。
すると、そこには門倉、そしてその後ろには10人程は居るであろう門倉の仲間たちが並んでいた。
その圧力にビビる翔真だったが、椿沙は何も変わらぬ態度で「何?しつこい男ね。」と言った。
「昨日は、よくもやってくれたなぁ。」
「先に手を出してきたのは、そっちでしょ?あのあと大丈夫だった?無くなって、女にでもなった方が良かったんじゃない?」
椿沙の言葉に苛立ちを見せる門倉。
「テメェ、、、今日は許さねぇからな。」



