歩くリラ冷えの風


その後、椿沙と翔真はいつものノブさんのラーメン屋へ行き、いつも注文するラーメンを食べて、身体を温めてから外へ出た。

温まった身体に涼しい風が丁度良い。

しかし、そろそろ日も長くなり、季節が夏に足を踏み入れ始めていることを感じさせれた。

「なぁ、椿沙。」
「んー?」
「お前って、泣きたくなることないの?」

翔真の突然の言葉に椿沙は「急にどうしたの?」と驚き立ち止まる。

「いや、椿沙が泣いてるとこ、見たことないなぁって、思ってさ。」

椿沙は、翔真の言葉に空を見上げると、「んー」と考え込んでいた。

「どうなんだろう。あるのかなぁ。」
「え?」
「自分のことなのに、分かんないや。」

そう言うと、再び歩き始める椿沙。

そんな椿沙に翔真は、勇気を出し「泣きたい時は、、、泣いていいからな。椿沙には、俺が、、、ついてるから。」と伝えた。

椿沙は振り返ると、「ありがとう。じゃあ、泣きたくなったら、翔真の胸で泣くね。」と言い、微かに口角を上げた。

そんな椿沙の言葉に嬉しさを隠しきれない翔真は、照れ笑いを浮かべ、伝えて良かったと思うのだった。