「あ?また蘭越と門倉か。」
そう言う桑島先生は、声も出ず藻掻いている門倉を見て、「こいつどうしたんだ?」と訊いた。
「金属バットで襲い掛かってきて、殴りかかってこようとしたから避けただけだよ。」
椿沙がそう言うと、桑島先生は「お前!女子に向かって金属バットだと?!喧嘩するなら拳で勝負しろ!情けない奴だ!」と言い、門倉の首根っこを引っ張り学校内に連れて行った。
それを見送り届けた椿沙は、翔真に歩み寄ると、翔真の手のひらから肩に飛び乗って来るチャッキーに向かい、「チャッキー、お待たせ。」と言った。
すると椿沙は青ざめた顔をしている翔真に気付き、「翔、どうしたの?」と言った。
「いや、、、門倉、痛そうだったなぁって、思って、、、。」
「あいつは男の風上にもおけない。女ばっかり泣かせて、あんなもん無くなった方がいいんだよ。ほら、翔。ラーメン行くよ。」
「お、おう。」
翔真はそう返事をしながらも、門倉の痛みを想像しただけでゾッとするのだった。
椿沙と翔真は、門倉が連れて来た仲間二人が避ける間を通ると、ノブさんのラーメン屋を目指した。
肩にチャッキーを乗せながら、ブレザーのポケットに入っているヒマワリの種をチャッキーに渡す椿沙。
その椿沙の姿を斜め後ろから眺める翔真は、思った。
椿沙には敵わない。
でも、強さでは敵わないかもしれないけれど、椿沙の心を支えてあげられる存在になりたい。
椿沙は平気そうにしているけれど、椿沙だって人間だ。
きっと泣きたい時だってあるはず。
その時にそばに居てあげられる存在に、、、俺がなるんだ。



