明らかに喧嘩が始まりそうな雰囲気に、周りの生徒たちはざわつき出す。
翔真は少し離れたところでチャッキーを手のひらに乗せて、椿沙を見守っていた。
情けない、、、
好きな女が喧嘩を売られているというのに、何も出来ない自分。
翔真はそう思いながら、椿沙を見つめるチャッキーに「大丈夫だよ、チャッキー。椿沙は強いから。」と言った。
門倉は不意打ちで金属バットを振り回す。
それを避ける椿沙を門倉の仲間の一人が椿沙に突進するように近付き、椿沙を押さえつけようとした。
しかし、そんな簡単に捕まるわけがない椿沙は上段蹴りでその仲間の顔面に一蹴りを喰らわし、その隙に金属バットを振ってきた門倉の攻撃を避け、金属バットを持つ門倉の右腕に回し蹴りを喰らわせた。
すると、あまりのダメージに門倉は金属バットを手放す。
金属バットはガタンと音を立てて、地面に落ちた。
そんな椿沙のあまりの強さを目の当たりにしたもう一人の仲間は、手も足も出せず、ただ黙って見ているだけだった。
そして、痛む腕を押さえながら門倉が「テメェ、、、!」と言いながら、椿沙に殴りかかろうとした。
椿沙は門倉の脚の間目掛けてスライディングすると、門倉の大事な部分を掴み、それをまるで鉄棒扱いするかのように、フワッと舞い上がり、タンッとローファーの靴音を立て着地した。
椿沙が振り返ると、門倉は当然掴まれた股間を押さえながら藻掻いていた。
「あんた、図体はデカいくせに大したモノ持ってないんだね。」
椿沙がそう言うと、「何やってんだー!」と鬼島こと桑島先生がやって来た。
きっと誰か生徒から聞き付けてやって来たのだろう。



