歩くリラ冷えの風


そして、その放課後のことだった。

椿沙と翔真はノブさんのラーメン屋のところに行く為に、一緒に学校を出て校門に向かって歩いていた。

すると、校門前には椿沙を待ち構えていた門倉の姿があった。

両脇には仲間を連れ、門倉は金属バットを担いでいた。

「おう、蘭越。」

そう話し掛ける門倉の目の前で立ち止まる椿沙。

椿沙は相変わらず表情一つ変えずに「何?そこ退いてくれない?デッカイ図体が邪魔なんだけど。」と言った。

「こないだはよくも邪魔してくれたな。」

門倉の言葉から、翔真は里佳の件のことを言っているんだろうと思った。

「何?仕返しにでも来たの?両脇にダチ連れて、武器なんて持って、自分が弱いって言ってるようなもんだよ?」

椿沙がそう言うと、余裕そうな顔していた門倉の表情が一気に豹変する。

「テメェ、俺を馬鹿にすると痛い目みるぞ。」
「いつも痛い目みてるのは、そっちでしょ?」

すると、門倉は椿沙に向かって金属バットを振った。

瞬時にしゃがみ、回避した椿沙。

翔真は、金属バットを振った際に吹いてきた風にビビり、後退りした。

「翔。チャッキーのことお願い。」

椿沙がそう言うと、椿沙の首元からチャッキーが顔を出し、手を出す翔真の手に飛び移る。

椿沙はゆっくり立ち上がると、門倉を真っ直ぐに睨みつけ、空手の構えをした。