その日の次の日の授業中、翔真はずっと椿沙のことばかり考えていた。
いつ訊こうか。
本当に訊いて良いのか。
訊いたところで、椿沙は話してくれるのか。
でも、椿沙が笑わない事には、必ず理由があるはず。
それを分かりたい。
理解した上で椿沙を笑顔にしたい。
翔真はそう思っていた。
そして放課後になり、窓の外を見ると灰色の雲が空を埋め尽くしていた。
今にも雨が降りそうだ。
そう思った瞬間にポツポツと雨が降り始め、その雨の勢いが増していく。
翔真は登校前に母親に「今日雨予報だから、傘持って行きなさいよ!」と言われていた為、ビニール傘を持って来ていた。
1階まで下り、玄関まで行くと傘を持って来ていて、傘をさし帰って行く人もいれば、傘が無くスクールバッグを頭に乗せ、走って帰って行く人もいた。
そんな中、傘もささずにずぶ濡れになり歩いて居る、ブレザーの下から見える淡いライラック色のカーディガンを着る人物が目に入った。
「椿沙、何やってんだよ。」
翔真は急いで上靴からスニーカーに履き替えると、傘をさしながら椿沙の元へと走って行った。
そして、椿沙に追いつくと傘をさしてやる。
「風邪引くぞ。」
翔真はそう言うと、椿沙がずぶ濡れになりながらスクールバッグを大事そうに抱えている事に気付いた。
きっとスクールバッグの中には、チャッキーが入っているのだろう。
椿沙は傘がさされた事に驚いた表情をすると、翔真のことを見上げた。



