歩くリラ冷えの風


昼休みになり、翔真は売店で買った焼きそばパンを食べ終えると、屋上へと向かった。

屋上には、いつも通りチャッキーにオヤツを与える椿沙の姿があった。

今日の椿沙は地べたに胡座をかいて座り、肩に乗るチャッキーにヒマワリ種を渡していた。

翔真は椿沙に歩み寄って行くと、「女子のくせに胡座なんてかくなよ。」と言った。

「女子のくせに?何それ、女子だからとか男子だからとか、わたしそうゆうの嫌い。」
「いや、だって、、、スカート履いてるのに、見えたらどうすんだよ。」
「何?パンツが?誰もわたしのパンツになんて興味ないでしょ。」
「それがそうでもないんだなぁ。」

翔真はそう言うと、胡座をかいて座る椿の隣に座り、同じく胡座をかいた。

「何?翔、わたしのパンツに興味あるの?」
「いや!俺じゃなくて!他の男子たちだよ!椿沙は気付いてないかもしれないけど、結構人気あるんだぜ?男子からも女子からも。」

そう言ってご機嫌取りでもするかのような口調の翔真に、椿沙は表情一つ変えず「別に周りからどう見られてるかなんて気にしてない。わたしはわたしだから。」と言った。

「だよな〜。椿沙は、そう言うと思った。」
「そんなことより、花枝ちゃんは?あれから大丈夫?」
「うん、大丈夫そうだよ。椿沙のあの言葉が効いたんじゃないかな。でも、佐々木さんが虐められてたなんて知らなかった。椿沙、何で分かった?」

翔真がそう言うと、椿沙は肩に乗るチャッキーの頬を人差し指で撫でながら、「朝、2組の前を通った時、花枝ちゃんが自分の机の前に立って、机を見つめてたから。」と言った。

「それで気になって近付いてみたら、って感じか。いつも大人しくてあまり話したことなかったからなぁ。」

そう言って翔真は、椿沙に撫でられるチャッキーを覗き込むと「お前は、幸せ者だな。飼い主が椿沙で。」と言った。

チャッキーは撫でる椿沙の人差し指に自分からも擦り寄るようにして気持ち良さそうな表情を浮かべていた。