その次の日、いつも通り登校した翔真は、教室に入ろうとした時、3組のはずの椿沙がなぜか2組に居ることに気付く。
椿沙は一番窓側の前から2番目の机を一生懸命拭いていた。
いや、よく見ると、消しゴムで何かを消しているようだった。
椿沙のそばでは、今にも泣き出しそうな顔でクラスメイトの佐々木花枝が机を見つめている。
確か椿沙が一生懸命何かを消している机は、佐々木花枝の机だ。
「椿沙、どうした?」
そう言いながら、翔真が佐々木花枝の机に近付いて行くと、椿沙が何をしていたのか一瞬で理解出来た。
佐々木花枝の机には、ビッシリと悪口が書かれており、椿沙はそれを一人で懸命に消そうとしていたのだ。
「あー、消しゴム足んない。翔、消しゴムない?」
椿沙がそう言うと、翔真は「あ、あるある。」と言いながら、急いで自分のスクールバッグの中をあさり、ペンケースから消しゴムを出した。
「お、いい消しゴム持ってんじゃん。」
そう言って、椿沙は翔真から消しゴムを受け取ると、再び机の落書きを消し始めた。
「俺も手伝うよ。」
翔真はそう言って、もう一つ予備で持っていた消しゴムで椿沙と共に落書きを消していく。
すると、二人でやればあっという間に落書きは消えていき、何も書かれていない机に元に戻った。



