「このままわたしを手放したら、後悔するわよ?」
必死に翔真を引き留めようとする里佳。
しかし、翔真の心は揺れなかった。
「後悔なんてしない。俺は平気で人を馬鹿にして裏切れる彼女なんていらない。」
翔真がハッキリとそう言うと、里佳は悔しそうな表情をして、今度は椿沙の方に視線を向けた。
「あんた、翔真の何なのよ!」
「え?幼馴染だけど。あなたより、翔とは付き合いが長いってくらいよ。」
冷静な椿沙の態度に苛立ちを隠せない里佳は、「何であんたなんかが、翔真と一緒に居るのよ!」と声を震わせながら言う。
「別れたくないなら、何で浮気なんてしたの?門倉の方がいいと思ったから、そっちに行ったんじゃないの?」
椿沙が淡々とした口調でそう言うと、里佳は「だって、、、嫉妬して欲しかったのよ!俺だけを見てろって、言って欲しかっただけなの!」と声を荒げ、身勝手な言い訳をした。
「ふーん。翔の気持ちを試したかったんだ。だけど、それってただ翔を傷付けただけよね?翔の女に戻りたいなら、誰にでも股を開かない信頼出来る女になってからにしなさい。」
椿沙はそう言うと、里佳の肩をポンッと叩き、「美人なのに、勿体無いよ。」と言ってから、里佳の横を通って歩き出し、玄関前へと続く階段に向かって行った。
翔真は里佳に向かい、「じゃあな。」と一言だけ言うと、制服のズボンのポケットに手を突っ込み、椿沙のあとを追って行った。
里佳は自分がやらかしてしまった事への後悔と失恋に涙し、いつも一緒にいる友達に慰められていた。



