家に着いた。
「冬夜、送ってくれてありがとう。」
「うん。俺がしたくてしてるから寧々は気にしなくていい。」
「それと、俺は寧々しか見てないから。じゃあね」
ポカンとしていると冬夜はあっという間に見えなくなってしまった。
えっ、アレはそういう意味じゃなくて、なんというか,その…女の子に興味なさすぎて、他の女の子の名前と顔、一致してないとか、そういうこと!!だから気にしない,気にしない!
そう思って、少しドキドキした胸を抑えた。
「いやそれはそのまんまでしょー」
次の日麗華に昨日のことを話していると、冬夜の言っていたことはそのまんまだと言われた。
「そのまんまって?」
「だから,俺は寧々しか見てないって、他の女の子には興味ない。俺は寧々だけをみる。ってことでしょ!」
「うーん。他の女の子を知らないからじゃなくて?」
「そんなわけないでしょ?だから、そのまんまだよ!つまり、寧々は東雲くんに、特別にみられているってこと!」
「えー、そうなのかなー?」
「で、デートの約束までしたんでしょ?もうそういうことじゃん!」
「そっかー、デートって言うよりも絵を見にいくだけだよ?」
「だから!男女が二人で出かけることがもうデートなの!分かった?寧々は天然をやめて,自分の気持ちに素直になって!」
自分の気持ちに素直かー
「分かった。考えてみるね!」
「早くしないと東雲くんも可哀想だからね。こんなにも天然な人が相手だと,自分の気持ちにも気づいてもらえないんだから…」
麗華がぶつぶつ言っていたことは,冬夜の気持ちを考えていて気づかなかった。

