私が浮気したのは、高校を卒業してすぐのとある日。
たまたま友達の友達って人を含めみんなで遊んだ時の事だった。

どうでも良くなったわけではない。
ずっと彼のことが頭から離れないままだった。
それなのに、たった一度。
だけど、この一度の過ちは私にとって許されるものではなかった。

どうしよう、どうしようと、すぐに後悔の念が渦を巻いた。
彼からの着信もとらず、きっと心配かけただろう。
何のためにこんな事をしたのか、どうして何のためにもならない事をしてしまったのか。

彼に電話を取らなかったことをなんて言おう。どう言えば?
気づかなかったふりして折り返しでもすれば終わりかも知れない。
けど、それでいいのか?
裏切った上に嘘を上塗りするのか?

出来ない。

この時、とんでもない事をした私は彼との別れしか償う方法はないと結論付けた。
そして、自分のやってしまったことを忘れないと決めた。

頭の中は完全にマイナスな方ばかりへ傾き、一度の過ちを過ぎたことと流すことはもちろん出来なかった。
バレないだろう、まぁいっか、仕方ない、彼が構ってくれないから、そんな彼のせいにすることも浮かぶことはなく、ただただ後悔するばかり。
心にのしかかるこのおもりはずっしりと重い。

そして、私は次の日に彼に電話をかけ別れを告げたんだ。

彼と別れてからは色んな事から逃げたかったのか、どうでも良くなったのか、自暴自棄になり暇を持て余し浮気相手経由で知り合った人達といつも一緒にいた。
家には帰らなくなり携帯電話も解約した。
携帯電話なんてもう必要なかった。

夜が深くなりみんなが寝た頃になると、自分が悪いくせに毎日泣いてばかりいた。
訳の分からない毎日を繰り返す。

今までの失恋のように、この気持ちは時間と共に薄れていく?
そんな簡単じゃない。それは絶対許されない。

この後悔を忘れないために、彼には届かない声で毎日謝り続けた。
彼を想い続けた。

こんな気持ち彼が知れば迷惑だろう。
彼はただの嫌な思い出でしかなくなった私を忘れたいだろう。

でも、私は彼を忘れるなんてとても出来なくて、忘れる事も怖かった。
彼の存在は私の心を大きく支配していた。その彼の存在が私の中から消えるなんて考えられない。
こんなに好きなのに忘れるなんてできない。
したくなかった。
そんな自分勝手な自分も嫌だった。


大好き
会いたい


どれだけ思っても意味のない想い。
伝える事の出来ない想いが強くなる。
そして、それだけ惨めになった。
最低な私なんか惨めでいい。