なんて最低なんだろう。
こんなこと人には言えない。私の秘密だ。
私は小さい頃から愛想だけは良く、気持ちと真逆の態度を取り繕うのは難しくなかった。
黒くくすんだ私に気づいた人は…たぶん、いない。
毎晩ベッドで色んな事を考えると、モヤモヤが膨らんで眠れない日もしばしばだ。
だけど、なんだろう。
今日はやけに落ち込む。
まわりから見れば、表面上はごく普通に楽しく生活を送っているように見えるのだろう。
明るいね。
いつも元気だね。
しっかりしてるね。
私への回りの評価は大体こんな感じだ。
でも、これは意識的に作った嘘の私。
一体私はどれだけ自分を誤魔化し、笑顔で声をかけてくれる人達の気持ちを踏みにじってきたのだろう。
彼だけじゃなく、私へ親しみをもち関わってくれているたくさんの人を裏切っていたんじゃないか。
そんなことに今さら気づいてしまった。
ドクっと胸が波打ち、背筋は何かが這うようにゾワゾワした。
こんな自分に今さらゾッとした。
唐突に罪の意識に苛まれ、どうすればいいのか分からない。
自分自身への嫌悪感が沸いて出る。
ダメだ。
とても眠れない。
ベッドで何度と寝返りを繰り返し、どうしても落ち着かない。
自分の行いを振り返るともう逃げ出したい気持ちになる。
頭をベッドに埋め体を丸めて叫び出したい気持ちを抑え込んだ。
いつの間にか薄ら明るくなる窓からの光に気がつく。
結局一晩まともに眠ることが出来なかった。
寝不足のまま仕事へ行き、疲れて帰ってきてもまた夜は眠れない。
毎日そんな夜を過ごすことになってしまった。
自分のしてきた事にようやく気づいてから、私の心のバランスはどんどん崩れていった。
仕事にも集中しきれずミスしてしまう。
それでも仕事だからとなんとか無理矢理笑顔をつくる度に、自分が更に腐っていくような気がした。
もう崩れる一方だ。
そんな日々が続いていた。
またグチャグチャの頭でケイスケの事を考える。
気がつけばまた彼の名前を何度も心の中で呼んでいた。
ケイスケ
ケイスケ…
浮かぶのは今の彼ではなく、いつもケイスケばかり。
胸のずっと奥に隠した気持ちが抑えられなくなってきているのを感じる。
また前みたいに戻ってしまう。
思い出しては後悔して泣いてばかりの毎日に。
毎日が、毎日、毎日、ギリギリだった。
もう、隠せない。
こんな毎日もう無理だ。
夜、付き合って1年になる彼を自宅へ呼び出した。
彼は私の顔を見るなり表情を歪めた。
何かを察したようだ。
悪いことをしてしまった。
何かを振り払うように強く抱きしめられ、そのまま私を求めるこの人を拒否する事はしなかった。
だけど、限界だったのかもしれない。
突然、スイッチが入ったように涙が溢れた。
涙が止まらない私を彼は抱くことをやめなかった。
そして果て、私から顔を背けたこの人に私は謝った。
「私…、ずっと忘れられない人がいるの。
ごめんなさい。」
彼が私との結婚を意識していることは知っていた。
私に向けた背中が震えてる。
「…お前、サイテー。」と、絞り出すように震える声でそう言って出ていった。
この7年間、ひっそりと泣くだけでずっと押し殺した私の感情はこの時はじめて爆発した。
こんなこと人には言えない。私の秘密だ。
私は小さい頃から愛想だけは良く、気持ちと真逆の態度を取り繕うのは難しくなかった。
黒くくすんだ私に気づいた人は…たぶん、いない。
毎晩ベッドで色んな事を考えると、モヤモヤが膨らんで眠れない日もしばしばだ。
だけど、なんだろう。
今日はやけに落ち込む。
まわりから見れば、表面上はごく普通に楽しく生活を送っているように見えるのだろう。
明るいね。
いつも元気だね。
しっかりしてるね。
私への回りの評価は大体こんな感じだ。
でも、これは意識的に作った嘘の私。
一体私はどれだけ自分を誤魔化し、笑顔で声をかけてくれる人達の気持ちを踏みにじってきたのだろう。
彼だけじゃなく、私へ親しみをもち関わってくれているたくさんの人を裏切っていたんじゃないか。
そんなことに今さら気づいてしまった。
ドクっと胸が波打ち、背筋は何かが這うようにゾワゾワした。
こんな自分に今さらゾッとした。
唐突に罪の意識に苛まれ、どうすればいいのか分からない。
自分自身への嫌悪感が沸いて出る。
ダメだ。
とても眠れない。
ベッドで何度と寝返りを繰り返し、どうしても落ち着かない。
自分の行いを振り返るともう逃げ出したい気持ちになる。
頭をベッドに埋め体を丸めて叫び出したい気持ちを抑え込んだ。
いつの間にか薄ら明るくなる窓からの光に気がつく。
結局一晩まともに眠ることが出来なかった。
寝不足のまま仕事へ行き、疲れて帰ってきてもまた夜は眠れない。
毎日そんな夜を過ごすことになってしまった。
自分のしてきた事にようやく気づいてから、私の心のバランスはどんどん崩れていった。
仕事にも集中しきれずミスしてしまう。
それでも仕事だからとなんとか無理矢理笑顔をつくる度に、自分が更に腐っていくような気がした。
もう崩れる一方だ。
そんな日々が続いていた。
またグチャグチャの頭でケイスケの事を考える。
気がつけばまた彼の名前を何度も心の中で呼んでいた。
ケイスケ
ケイスケ…
浮かぶのは今の彼ではなく、いつもケイスケばかり。
胸のずっと奥に隠した気持ちが抑えられなくなってきているのを感じる。
また前みたいに戻ってしまう。
思い出しては後悔して泣いてばかりの毎日に。
毎日が、毎日、毎日、ギリギリだった。
もう、隠せない。
こんな毎日もう無理だ。
夜、付き合って1年になる彼を自宅へ呼び出した。
彼は私の顔を見るなり表情を歪めた。
何かを察したようだ。
悪いことをしてしまった。
何かを振り払うように強く抱きしめられ、そのまま私を求めるこの人を拒否する事はしなかった。
だけど、限界だったのかもしれない。
突然、スイッチが入ったように涙が溢れた。
涙が止まらない私を彼は抱くことをやめなかった。
そして果て、私から顔を背けたこの人に私は謝った。
「私…、ずっと忘れられない人がいるの。
ごめんなさい。」
彼が私との結婚を意識していることは知っていた。
私に向けた背中が震えてる。
「…お前、サイテー。」と、絞り出すように震える声でそう言って出ていった。
この7年間、ひっそりと泣くだけでずっと押し殺した私の感情はこの時はじめて爆発した。
