もう明日がハロウィンかぁ。

暇な図書委員会の昼休憩当番の時間を持て余した私、(しい)は、図書室のカウンターの椅子に腰掛けながら、カレンダーを見てそう思う。
ハロウィンを明日に迎えた図書室の中は、かぼちゃやお化けの折り紙・ハロウィンに関係する本の紹介で溢れている。
ハロウィンは、行事だからというのもあるけれど、私にとって“特別な日”だから胸が弾む。
暇だし、見回りも兼ねて本でも見に行こうと、腰を上げた瞬間だった。

ゴン。

不意に響いた、重たい、というか痛そうな音に、腰が椅子に引っ張り戻された。

人がいつも、片手の指で数えられるほどしか来ない、この図書室において、こんな音を立てる人間は1人しかいない。

確信を持って横を見ると、私と同じ図書委員会であり、幼なじみの快斗(かいと)が、整った顔をカウンターに突っ伏して寝息を立てていた。