「……変な女だ…」
どうも、高木郁斗です。背が162センチしかないのをすごく気にしてる年頃の男の子です。
先ほど変な女を見ました。

喉が乾いたのでなにか買おうと自動販売機へ行ったのだが、自動販売機の前には先客がいた。
どうやら自動販売機の一番上の段にあるオレンジジュースを押したいようだが届かないようだ。
ふぐぐぐぐー!と声を出しながら必死に手を伸ばす姿は必死である本人には悪いがはたから見るとすごく和んだ。
クラスの男子の中で身長順に並ぶと前の方である自分と比べても身長差が10センチくらいありそうだ。10センチ差って理想のカレカノの身長差じゃなかったっけ?と別に前で奮闘している女子(癒し)にときめいたわけでもないのに考えてしまった。
理想の身長差にときめいている間も女子(癒し)は必死に背伸びをしていて、いい加減助けてやるかーと右手を伸ばしてオレンジジュースのボタンを押してやる。オレンジジュースが出てきても状況がわかっていないのかオレンジジュースのボタンとオレンジジュース本体を見比べている。まじ癒しかわいい。
そんな風に女子(癒し)を観て和んでいたが、
「…何故だ!?奇跡的にボタンに届いたのか!?いや、あの1センチの壁はなかなか越えられないはず…。なら、急激にわたしの身長が伸びたとか…」
「ーは…?」
女子(癒し)が発した言葉により女子(癒し)のイメージが崩壊した。