ーー右手があったかいな……
光が……光が見える……
『 レオナルド様!! レオナルド様ッ!!』
この声は……ロマンスグレーセバスチャンか?
『 レオナルド!!』
この声はエリザベス母ちゃん?
『レオナルド様ぁ!!』
この声はラナ……?
ーーマリアンヌッ……マリアンヌは!?
右手のぬくもりと皆の声に誘われるようにして私は目を覚ました。
うちの家のベッドとは、天と地ほどに違う触れ心地めっちゃ抜群なシーツと、天蓋付きのキングサイズベッドの上だ。
ここは確実に汚部屋じゃないな……。
『よかった……ようやく意識が戻られた……』
目覚めた私を見て、ロマンスグレーセバスチャンがものすご〜〜く安心したかのようにして言ってる。
『レオナルド、本当に良かった。どれほど心配したことか〜〜』
エリザベス母ちゃん……半泣きだ。
『旦那様と医者をお呼びして参ります!!』
それだけ言い残してラナは猛ダッシュで部屋を飛び出して行った。
ふと気づけば私の右手が握られている。
ずっとこのぬくもりを感じてたような……
握られた手の方に目線をやると、マリアンヌが私に寄り添っていた。
『レオナルド様……』
そうか……このぬくもりはマリアンヌだったんだ。
なんだかすげぇ難しい顔して私を見てんな……?
『突然倒れられたのですよ。二日間も眠ったままだったんです。あの…… その…… 今からカモミールティーをご用意してもらいましょうか?』
顔色をどんよりとさせたマリアンヌが私の手をギュッとした。
あっ、、もしかして……もとのレオナルドに戻ってるかも知れないから試してんのか?
そうだよな……どっちか分かんなくて困るよな。
『カモミールティーより麦茶か緑茶がいいなぁ』
笑って私が言うと、厚い曇に覆われていたようなマリアンヌの顔が、きれいに晴れ渡ってくみたいにパアッと華やいだ。
『レオナルド様、そのようなティーはここにはございませんよ。ウッフフフ』
その笑顔がもう一度見たかったんだ。
『そうだった。アッハハハ』
ここで私を心配してくれてんのはマリアンヌだけなんだよな……
他のみんなはレオナルドを心配してるから。
この世界でたった一人だけ。
ずっと私を側で支えてくれた大切な人。
今度は私がマリアンヌを幸せにしてあげる。

